第18回:「酒の穴」@大阪新世界

「酒の穴」て、どんな穴?呑兵衛でもそやのうても、思わず覗いてみたくなるイカした店名は『「酒の穴場」からきたんちゃいますかねぇ、フフッ』と語るは、穏やかな笑顔の現店主。
駅を降り立ち歩くこと数分。人込み掻き分け、店員の呼び込み振り払い、昨今のめまぐるしい移り変わりをヒシヒシと感じつつ辿り着いたのは新世界のド真ん 中。戦後この地に構え、朝から晩まで、平日休日問わず客を迎え入れてくれる名店老舗。右に本店、左に支店を構えるゆえ一方が休みでも安心。メニューはほぼ 同じながらそれぞれに味があり、左右をハシゴ酒ちゅうんもまたえぇ。
確保した席に腰を落ち着け…たはいいが、顔を上げると向かい壁も背中も鏡張り。『我が酔い加減を把握しぃ』、そう忠告されているようで少々ドギマギ。ペシッと頬を叩き気合い入れとこ。
アテの数々は当初からほとんど値上げせず今に至るそうで、小鉢100円から、串かつ・おでんが80円から揃う。瓶ビールもろて手酌してる間に、らっきょ、 おからのスピードサーブ。いか焼いてもうたら準備完了。ウン、今日もえぇチョイス。隣さんと袖触れ合う限られたスペースに酒と肴を並べ、ひとり悦に入る。
一本から注文可能な串かつはザックリ衣に大きなネタで食べ応えあり。ここに来て食べずしては帰られへん、創業当初から愛され続ける名物八宝菜200円は、 かつて流行った和風シチューに代わるものをと考案されたそうで、今でも「シチューおくれ」と注文する御仁もおるんやて、ツウやわぁ。さらりとしたスープ状 に具ぅたっぷり、ごろんっと大きなお芋さんがほっこり。初めましてでも懐かしや。
朝の開店と同時に訪れるおっちゃん兄ちゃんらは、お昼前にして既にえぇお顔。ショッピングカートを引き遠くから通うハイカラなおばあちゃんもガッツリ飲ん で食べる。このパワフルさ、見習わんとあかんわ。各々の時間がゆるり流れる一方で、扉の向こうでは新しくできるホテルの工事音が鳴り響く。穴の中だけ時が 止まってるんかと錯覚を起こす…なんや酔うてきたんかな…。
せや、まだここのお好み焼き食べてへん、えらいこっちゃ!誰か誘うてまた酒の穴、覗かんとね。

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