第20回:「隆福」@大阪十三

「いらっしゃいませぇ」。迎え入れられた店内では中国語が飛び交い、子供たちが楽しげに駆け回る。厨房からはジャッジャッとリズミカルな調理音、頭上には 料理写真のパネルがギラギラまぶしい。ん?私、いつの間に異国へ?そんな錯覚すらおぼえる店が大阪十三の繁華街、ちょっとピンクな店が連なる路地に佇む 「隆福」。
4人用テーブルが数席、派手な中華のイメージはなくシンプルな食堂風。料理の数々が並ぶ卓を囲み談笑する中国出身と思われるお客さんたちの中、ひとり日本 人の私はアウェイ感を抱かずにはいられない。が、ここで引き下るわけにはいかん。慣れたふりして品書きを見ると、中国語と日本語表記に加え写真入りでホッ と一安心したのは内緒。
青島ビールと豚耳でスタート。コリップリッ食感に胡瓜とネギの爽やかさ、ピリ辛濃い味が食欲を駆り立てる。細長い銀の串に刺され供される、中国東北地方で は定番という串焼きも種類豊富で各100円から150円、一串から注文可。クミンが香るスパイシーな羊串、コリコニュ心管(牛のコリコリ)、シャキシャキ にらを摂取したらば早々に汗がじんわり滲む。いいぞいいぞ。パクチーが香る干し豆腐巻。勢いで頼んだ蚕。黒光りした4匹が可愛らしく並ぶビジュアルに一瞬 ひるむも、エイヤッと齧ると外カリパリッ中ふかっむにゅうっ、独特な香りが鼻に抜ける。なるほど…。空芯菜炒めをかっこみ少しぬるくなったビールで流し込 む。くはーっ!スタミナ満点や。
焼きよりポピュラーな水餃子はつるんっと口当たりに皮もっちむち、あっさり仕立てでわんこそばのごとき口へ運ぶ手が止まらへん。ストレート麺にピリ辛の肉味噌とまろやかなスープが絡む台湾風豚骨ラーメンにラー油をまわし入れズズッと平らげた。
万一に備え少しお勉強してきた中国語はまるで出番無しでしたわ。店員さん、日本語とってもお上手やねんもん。酔うて舌がうまく回らんくなった私の方がよっ ぽど危ういやんか。よっしゃ、今度は“ニイハオ”くらい言うてみよ。きっとまた違った世界が見えるはずや。外に出ると生暖かい風が心地よく、「おねぇちゃ ん、時間あるぅ?」聞き慣れた関西弁さえ、真に受けてもうたがな。

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