第30回:「半田屋」@大阪新世界

嬉しい時も楽しい時も、悲しい時も辛い時も、どーンと構えてやさしく受け入れてくれる人って、ステキやん。酒場も同じ。どんな時も私を、呑み人をそこで 待っていてくれる酒場は心の拠り所なのだ。今宵、安堵を求め暖簾をくぐったのは昭和4年創業、今年で86年目となる老舗「半田屋」。「今日は寒いです ねぇ、そこあったかいですよぉ。」一見常連の分け隔てなく、全ての客人をやわらかな笑顔で迎え入れてくれる。外界の喧噪から別世界に飛び込んだ気分や。包 容感を高める大黒柱ならぬ大黒コの字カウンターに腰をおろし見回す店内では、おひとり様ふたり組、殿方、ご婦人…、良い距離感で席につき、それぞれがにこ やかに飲んではる。昼夜、平日週末と、その時々に表情を変えつつ、この穏やかな空気は変わらずいつも和ませてくれる。あぁ、やっぱりホッッとするわぁ。チ ロリの燗酒をもらい、明るく清潔で大衆酒場然とした空間に身を委ね、ただぼんやりしてるだけでしばらく飲めてまうけど、壁中にかかる品書きに目を走らせる と、胃袋が動き出してきた。めぼしいもんがなくて困ることもあるけど、ココは逆。酒にピタリのアテから、しっかり食べたい人にも嬉しい一品まで豊富過ぎて いっつも目移りしてまうねん。そんな中から選んだんは、湯気が立ち上る山芋ステーキ。醤油をちょろりと垂らしスプーンを入れると「ぅふわっ!」、思わず声 をあげてまうふわっとろっ感。お出汁とネギ、紅しょうがの組み合わせも関西人の心をグッと掴むねぇ。半熟の玉子はお好みでえぇ加減に仕上げて召し上がれ。 フチにできたお焦げも見逃さんといてな。ひげネギ天ぷらは、ひげについた土を落とすのに、3時間も水につける手間のかかった一品。しょりり香ばしさと甘み がやさしく口に広がる。とろとろ卵にサクサク感も残るかつとじは、酒そっちのけで男子校生ばりに食らいついてまうわ。夢中になりつつ、隣さんの小声の注文 さえ聞きつけてしまう耳聡い私。何やら炒飯頼んではるで…。食材に制限のあるお客さん用のもので通常は出されないのだけれど、「そこをなんとか!」ワガマ マを聞いてもろた。具沢山で旨味が凝縮された、中華屋さんにも負けん美味さや!先のかつとじをオンザのジャンク飯をかっ込んだ。ぷはーっ、感無量。
数時間前まで沈み曇っていた心は、いつの間にやらすっかり晴れていた。あぁ、ここに「半田屋」がおってくれてよかった。今宵もおおきにでした。

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