第39回「天満酒蔵」@大阪天満

酒場巡りは私の人生の最大の楽しみだ。街を歩き良さげな店にフラッと入りサクッと飲んで次へと流れる。アタリの店もそうでない店も、新規開拓のドキワクはたまらん。きっと私はこれからも酒場を渡り歩く。だけど、ふと落ち着きたくなることもある。安らぎを求め古巣に帰りたくなることもある。あぁ、そうか。散々色んなオンナと遊び倒し、最後には妻の元へと帰る夫の気分ってこんなんかな。知らんけど。
今年も残すところあと少し。1年の締めくくりは落ち着ける酒場でまったりしたいなぁ。せや、あそこに行こう。すぐさま頭に浮かんだのが「天満酒蔵」。この地に構え約48年。店名が示す如く、大阪天満の重鎮とも言うべき名酒場。まだ酒を始めて間もない頃から通う大好きな場所。3年前の夏、1代目の思案の末一時閉店するも、「この店をこのまま終わらせたらあかん!」娘さんが後を引き継ぎ再び息を吹き返した。
朝11時の開店から、長いカウンターには既に酔いお顔のお客さんがぎっしり。ひとり静かにグラスを傾ける御仁、大きな声で笑い話すおっちゃん2人組、ほんわか微笑ましいご夫婦、それぞれにひと時を楽しんではる。自分も席に着き、まずこの平和な空間を眺め、肌で感じるんが好きやねん。そんな矢先、お昼前には軽やかな足取りで出て行かれる方も。思わず「おつかれさまです~」と囁いてもたわ。
大瓶・どて焼・ポテサラの三種の神器を揃えてまずは乾杯。近くの天満市場や福島の中央市場から毎日仕入れられる新鮮魚介も豊富で安いんやわ。大胆な厚切りまぐろ、こりっぷりの鯛。スペースを考慮してか、醤油皿を重ねて供されるスタイルも名物やと思うてる。鉄板で焼かれ焦げ目が食欲をそそるねぎまは、しっかり目の塩気で酒を誘う。ならば、と、店の雰囲気にピタリなアルミのチロリで供される日本酒を。特選、上撰の二者択一ゆうんも渋いやんか。御仁たちに人気の至極シンプルなえのき塩焼は、ブラックニッカと樽ハイを合わせたオリジナルのハイボールで。これ、飲み過ぎ注意やな。
キビキビとした動きが気持ちの良い2代目、シュッと決まったショートヘアが男前な女将さん、店名が入るお揃いのシャツを着たスタッフさんが居て、客が居る。そして、その空間を静かに見守るように、1代目がひとりカウンターで飲る。気取らず気負いなく、ただ純粋に酒と肴を楽しむ王道酒場。「天満酒蔵」の復活に胸を撫で下ろし、「ありがとう」と呟いたのは私だけちゃうやろね。そして、「これからもよろしゅうに」。

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