第41回「立呑処 大川」@大阪大正

何てことのない『普通』の酒場。華があるわけではない。個性的な一品があるわけでも特別なサービスがあるわけでもない。だけど、つい足が向いてしまう、ただそこで呑むだけで良い、そんな『普通』の酒場が心地良かったりする。
大正駅前に構えて47年の「立呑処 大川」。先代が始めた酒屋やスーパーマーケット業を含めると約100年続いているという、古くから地域に根付く老舗。
駅改札を出た目の前に煌煌と光る看板が酒飲みを惹き寄せる。「ぃらっしゃい!まいどぉ!」、八百屋だか魚屋だかに足を踏み入れたかのように威勢良く迎え入れられた店内は、久しぶりなのにホッとする。早い時間にも関わらず、変形Uの字カウンターは既にお客さんでいっぱい。男性客が大半を占める中、女性二人組もいてはるわ。珍しな~思たら、ドームでのライブ前に軽く一杯と立ち寄ったらしい。そんな彼女たちに「ぃってらっしゃ~ぃ!」笑顔で見送る色ツヤの良い男性が店主。その笑顔がこちらに向き、「お姉ちゃんもライブ?」いえいえ、私はただ飲みに来ましてん。「嬉しな~」。私も何だか嬉しな~。大瓶もろてチマチマとしじみ佃煮をつついていると、カウンター内ではお揃いの赤のポロシャツに酒蔵の前掛け、白帽を身につけたスタッフさんの掛け合いが繰り広げられる。何てことのないヤリトリさえ客の笑いを誘う。しょーもない芸人よりよっぽどオモロイ。さすが大阪人やわ。投げ銭代わりに客から酒を進められれば『一気飲み』がここ「大川」のルールやて。道理で店主さん、いつも頬っぺ真っ赤なはずや。商売人魂なんかただの酒好きなんか知らんけど。
掛け合いの最中にもあちこちから注文がかかる、名物の若鶏から揚げ。ニンニクが香り、衣カリサクッ中ジューシィ。みんなが大好きな王道から揚げ。熱々を頬張りながらビールをググッ。添えられるポテトチップスが妙に嬉しく、小さな幸せを噛み締める。「オススメやから飲んどいて!」の山田錦は、発売元を見るとこの店の名が記されるオリジナルの一本らしい。旨みしっかりながらスッキリとした飲み口で、水の如きスイスイいってまうわ。血液サラサラ仕様?たっぷり玉葱オンザのあじ南蛮漬け、〆具合が絶妙で脂の乗ったきずし。サービスのたくあんは、たっぷりの味の素が昭和を思わせる。エライ地味になってしもたけど、茶やグレーの地味な色のアテこそ旨かったりすんねん。立ち飲みに余計な華やかさは要らん。酒と笑顔があればそれで十分やん。しみじみ、おおきにですぅ。

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