大スポ連載

第51回「青や」@大阪鶴橋

サバ、イワシ、サンマ…。青魚、好っきゃね~♥
「がっつり肉行こか!」は、ようあるけど、「がっつり青魚行こか!」は、ないよね。生活習慣病の予防・改善効果に加え、うちら飲兵衛にも嬉しい動脈硬化予防もあるっちゅう、近年人気の青魚を堪能できるお店が、焼肉激戦区に構える「青や」。日頃の酒浸りを反省しつつ、今宵は青魚で乾杯しましょ。
魚には日本酒やけど、駆けつけ一杯にフリージングレモンサワー。凍らせたスライスレモンがそびえ立つビジュアルはSNS映え必至。倒さんよう中に沈めてお箸で崩してな。適度に潰しフレッシュ感を味わってからの、ジャリジョリ潰してフローズンな食感を味わうんがオススメ。酒部分がなくなったら、ナカのお代わりをどうぞ。結局、3杯ほど楽しませてもうた。
青魚スタートに青やのなめろう。他所で見るなめろうに比べて色白やなぁ。それもそのはず、脂の乗った青魚各種をブレンドされているそう。お箸の先でちょびっと掬い口に含むと、細かく叩かれた身の食感に、舌の上で脂がじんわり溶けてくわ。これは日本酒いっとかな。辛口好みの私にチョイスいただいた奈良県のみむろ杉で脂をシュッと流す。合うわ~ナンボでもいけるわ~。高知県産の清水さばにこだわったさば造り。この光り具合、たまらんね!青魚特有の濃い味わいながら臭みは一切なし。これやったら青魚苦手な人もいけるんちゃう?北海道産ニシンの造りは入荷時のみの限定。酒肴の代表格、数の子や、蕎麦のトッピングにもなるあのニシンが生でいただけるとは!コリリとした食感を残しつつやわらかで、ぴとっと舌になじむエロティックさ。恍惚。定番サバの味噌煮は、胴体と尾部分のぶつ切りがドドンとボリューム満点。ほろりと崩れる身に、腹身のとろけるやらかさ。名称通り骨まで食べられる絶品。塩気強めゆえ、身ぃ食べ終わっても味噌をアテに飲めるんもえぇね。酒飲み好みの味噌煮ですわ。鯖料理で忘れたらあかんさばの棒寿司。その肉厚たるや!ひと口でパクッ。笑みを浮かべしばし無言で噛み締め、広がる旨味の余韻に浸った。ラストは青やのサンドイッチ。軽くトーストされたパンにさっくりイワシフライ、こってりマヨソース。まさかイワシもパンに挟まれるなんて思わんかったやろね。見事な出会い。棒寿司もこのサンドも、先の味噌煮の味噌つけても美味しいねん。試してみてな。
美味しくて健康に良い、且つ酒に合う青魚って素晴らしいね。何や元気出てきた。早速DHA効果やろか?しばらくえぇ酒飲めそやな~

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第50回「さかとけ」@大阪天王寺

「酒解」と書いて「さかとけ」と読む。この文字を初めて見た時、意味が分からぬまま、ただただ、何てステキな響きだろうと思った。後に、初めてお酒を造り神々に献じた、酒造の祖神『酒解神(さけとけのかみ)』からとった言葉だと知る。  天下茶屋「酒解」の姉妹店として9月にオープンした、昼から飲める「さかとけ」。漢字だと意味を推し量ることができる反面、少々かしこまったイメージも与える。白い目で見られがちな昼酒をもっと気兼ねなく楽しんでほしいという理由からひらがな表記にされたのだとか。なるほど、深く納得し共感を覚えた。  このお店を気に入ったもうひとつの理由は、そのクオリティーと安さ。元々魚屋を営むオーナーさんが、奥様の故郷である石川県の食材に惚れ込んだ。しかし、造り手が高齢者であるため、地物のほとんどは現地で消費されてしまう。もっと多くの人に味わって石川の素晴らしさを知ってほしい。造り手に恩返しをしたい。そんな想いから、石川の名産を酒場で出されるようになり、「さかとけ」では能登の豚や牛、地酒を楽しめる。  終日1杯190円のハイボールあおりつつ、「あれ」を所望。あれって何や? 思わずツッコミ入れてまう謎のメニューは日替わりで、この日はフライもん。店長の姉さんに「何フライですか?」と聞くも「何やろ?」と素っ気ない返し。注文してもこちらに顔を向けず「あいよ~」と、どこか違和感を覚える対応(笑い)。それもそのはず、彼女のキャラは「敬語があまり使えません・自由自在に攻める」。頭上に記される各スタッフさんのキャラ表で納得した。各人の個性を尊重し客の笑いもとる。おもろいやん。  オススメの能登豚。独特の食感に脂身が甘いちれ、噛むほどにミルキーな味わいのほほ。豚好きの私も惚れた。魚介類も超絶の安旨さ。脂ノリノリとろけるとろいわしの刺身。骨付きまぐろの中落ちは、残る身をほじくる作業も楽しい。魚介には日本酒をと、秋らしいラベルで選んだんは石川モノちゃうかった、失礼しやした…。  ゲームのように、旅人にはじまり遊び人、勇者から、さらに無限大まで辛さレベルを選べる麻婆豆腐。どんだけの辛さかビビって〝賢者〟にとどめるも、なかなかのツワモノや。酒にも飯にもピタリゆえ、ガッツリいきたい方は白米やおにぎりをどうぞ。そう、ここは酒場ながら「しっかり食事も楽しめる」立ち飲みなのだ。  うっかり石川の地酒を飲みそびれてしまった後悔から、この冬は石川まで足を運んでみよかな。そんな想いさえ湧いてきた。

第49回「新多聞酒蔵」@大阪天満

週末の昼酒タイムを終え、さてもう一軒、と歩いていたら懐かしい店に辿り着いた。眩しい看板、紺地に白抜き暖簾。酒場然とした姿、変わらへんなぁ…。いや、何かちゃう。昔から知る店名の頭に「新」の文字が増えている。「新多聞酒蔵」。この9月からオーナー交代により新体制が組まれたそう。カウンターが奥へと伸びる店内はグッと明るくなり、ご夫婦と奥様のお母さん、時には高校生の娘さんが笑顔で迎えて下さるアットホームな雰囲気に変わった。「新」はそれだけやない。女性陣の作る家庭料理に加え、マレーシア出身のご主人”はんちゃん”による多国籍料理が楽しめるんやて!夏にマレーシアを旅行したばかりの私、この出会いは酒の神様の思し召しやろか。
ほな早速、東南アジアで人気のタイガービール片手に、”はんちゃん”のお料理いただきましょ。アジアの定番料理、空芯菜炒めは、シンプルゆえに炒めの手際の良さが要になる。ウマイ!一見、普通の唐揚げながら、食べるとふわっと香るシナモンがクセになるアジアン鳥唐揚げはビールとの相性抜群。マレーシア黒焼そばと称される福建麺(ホッケンミー)、これも好きやねん。見た目の黒さとは裏腹にコクと旨味の甘辛味。ソースが太麺に満遍なく絡み、思わず白飯を欲してまうねん。あちこちから注文が入る、おそらくお店一番人気の四川麻婆豆腐は、調理最中の刺激的な香りで咳き込むお客さん多数。笑いとともに我が元にやってきたそれをレンゲでたっぷり掬って頬張ると、なめらかな豆腐がトゥルンッと舌を滑り、まず旨味がやってくる。「辛めで!」とお願いするも、全然ヨユーやん。と思っていたら、徐々に汗がじんわり、毛穴が開いていくのが分かる。ウマイ!カライ!でもウマイ!勢いで食べ進め半分ほどして小休止。日本の味、おでんの玉子でホッと一息。東南アジアから日本に帰ってきたで。手軽にグルメ旅が出来てまうんやわ。〆飲みはハイボールと辛ピーナッツ。これもほんのおつまみにと頼んだら、汗再び。うぬ、侮れん。
家庭料理を求め、はたまたご主人の多国籍料理を求め、開店一ヶ月半にしてすでに常連がつく人気店。おじさまのオアシスだった以前とは一転、ヤングなカップルが「唐揚げ、マーボー、チャーハン!」というヤングな頼み方をしている向こうからは、御仁が「空芯菜とどて焼き!」なんてオツな注文をする世代の交錯もおもしろい。有名レストランのシェフも訪れるという本場の味を立ち飲みでお手軽に。あかん、えぇ店に出会ってしもたわ。

第48回「焼鳥 炭心」@大阪十三

あかん。めっちゃ旨い手羽先に出会うてしもた!
年々変わりゆく飲兵衛の街、十三。いつもの角打ちで軽く一杯引っ掛け、ふわっとした気分で店を出ると、見かけない店を見つけた。「焼鳥 炭心」。あぁ、また新しい店できたんや。今年の6月にオープンした立ち飲み焼鳥。居抜きで使用した店内は小じんまりとしていて、白い洞窟のようなスタイルがおもしろい。
常時、厳選した3種のみ並ぶ地酒から山形の米鶴と虎穴で乾杯。適度に冷やされキリリとした飲み口が、まだ暑さの残る初秋の宵に心地よい。おまかせで盛り合わせてもらったお造りの豪華さよ!コリッコリのズリ、まったり濃厚とろける肝、プリップリのココロ。マグロブツか?!と思わせる角切り肉厚もっちりムネ肉の旨さにはまいった。なかなかお目にかかれぬ生つくねまで立ち飲みでいただけるとは。アッパレ。醤油とごま油が用意されるけど、まずは塩でシンプルに。鶏の甘み旨みを最大限に感じられる。提供される鶏は、阿波尾鶏や丹波地鶏などをメインに、その日の良いものを仕入れるそう。天満の焼鳥店で修行された店主の目と腕に間違いあらへん。
最近お気に入りのトマトハイボールとトマトサワーで、気持ちも胃袋も肝臓もリフレッシュ。よりサッパリ系が好みならサワー、しっかり系ならハイボールがおすすめやで。
そしてお待ちかね。初めて出会って以来、ゾッコンラブの史上最強手羽先!お願いします!同じく産地にはこだわらず、「とにかく大っきいのん!」と鶏屋に発注。手に入れた大っきいのんを、独自の手法で丁寧に焼き上げる。初対面の太っちょなそのビジュアルにびっくり!二度見三度見してもた。「詰め物でもしてあるんですか?」「いえ、そのまんまですわ。」つやつやほっぺを光らせる店主の顔も忘れられへん。でっぷりメタボな手羽先ゆえ皮もしっかり肉厚で、パリッジュワッと甘ぁい脂が溢れ出す。パンッパンに膨れた中は肉身ぎっしりと思いきや、適度に空気を含み軽いから不思議やわ。これぞ焼きの秘技。
定番のネギマ、レアな肝、笹身など、串もんは全て塩焼きで食べさせるんも、鶏に自身があるからやね。もちろんタレ焼きもOKゆえお好みでどうぞ。何を食べても美味しく、洞窟内に「うまいわ~!」が響き渡った。
不定期で焼鳥全品100円セールも開催され、テイクアウトも可能。飲兵衛だけでなく、ファミリーや子供にもやさしい地元密着型。(私は地元っ子ちゃうけど)ここに出来てくれてありがとう。素晴らしい出会いをありがとう。

第47回「山和屋」@大阪梅田

初めて会ったその日は、顔も声も、空気感さえも忘れられなかった。いつまでもあの声が耳の奥に響き、残像が脳裏をかすめ、また会いたい気持ちにさせる。よし、会いに行こ!見に行こ!
今年5月オープンの「山和屋」。ピンクな店が点在するアーケード街の角っこで、朝から朝まで元気に営業!強烈な印象を与えあとを引く、何よりの名物が店長ゴリさん。厳つい体に大きくて重そうなお顔で階段を上り下り。息を切らせ汗を垂らしながら、若干引きつった笑顔でお客さんに話しかける。ちょっと落ち着いてからでえーやん!そう思いつつ、こちらにその笑顔が向けられると嬉しくなってしまう。毎度です~♪
ビールと超特急メニューのたたききゅうり、ポテトサラダでスタート。マヨ控え目あっさりポテサラは、常備される花椒入り自家製ラー油をかけてもまた美味しいねん。店長の次に名物の餃子は、ニンニクがガツンときいたスタミナ系ゆえ、あとにチューする予定がある方にはニンニクなしをオススメします。ビールを飲み干しハイボールを所望すると、「OK!チューハイな!」ん?どゆこと?聞き間違え?出てきたのは確かにチューハイ。「コレ美味しいから!飲んどいて!」。そんな強引さもキライちゃうよ。こちらのチューハイやハイボールは強炭酸使用で、いつまでも絶えぬシュワシュワがとても心地良い。うん、美味しいね!18時までなら何杯飲んでも100円ゆうんも涙ちょちょぎれもん。
メニューの入れ替わりが激しい中、最新名物、鶏半身揚げは、大きくカットしてもらいガブリ。湯気とともにスパイシーな香りが立ち上り、塊で揚げるからこその旨味、ジューシィさがギュギュッと溢れ出す。一片を食べ終えるまで手がとまらず夢中になってしまう。ニヤリと笑顔を向け、サッとおしぼりを出して下さる気遣いに美味しさが倍増する。何を食べても飲んでも”ゴリさんスパイス”が加わるのだ。何せ、店名は店長の名がつけられているのだから。
大好物がドッキングした豚角煮天ぷらは、甘辛とろっほろの角煮にサクパリッの衣のコントラストがたまらん。相当なカロリーが予想されるけど、ウマイもんはウマイねんからしゃーない。コッテリの後には、独特のシコシコ食感が楽しく、パクチーが爽やかな干し豆腐。そして〆はトムヤムクン。小さな土鍋に有頭海老でビジュアルもお味も本格派。辛さ控え目ゆえ、辛いもん好きさんは一味をどうぞ。
バリエ豊富な酒と肴の安旨さ然る事ながら、店長にハマッてしもた。また、見にゆきます。

第46回「こばやし」@大阪西九条

帰り道ちゃうけど途中下車してまで来てまう。他にも店知ってるけど、ココしか来ぇへん。そんなファンの多い「こばやし」。阪神ガード下に構えて37年目。ご夫婦一代で築き上げたとは思えぬほど素晴らしい年季の入りっぷりに、初訪問で一目惚れ。以来、足繁く通う常連のひとり…と言いたいところだけど、すっかりご無沙汰です。
暖簾をくぐると、穏やかなお父さん、動きも喋りもキビキビとしたお母さんの名コンビが笑顔で迎えて下さる。冷たいおしぼりでクールダウンしもって店内を見渡す。たくさんの写真、ココで出会った人々が関わるイベントのチラシなどが飾られ、いかに店と客との関わりが深いかが伺える。えぇ雰囲気に包まれ、大根おろしの辛味が爽やかなじゃこおろしでビールをグビッ。短冊メニューは開店当初から変わらず値段も据え置き。が、しかし、その日に無いものを頼むと「無いもん頼むな!」、お母さんの厳しい声が飛ぶ。とは、ご常連の談。キッツイな~と思うも、厳しく当たられるのは認められた証?何度キツく当たられてもまた来てまう、寧ろ厳しい声が嬉しい。そんなMな方が多いのもこの酒場の特長みたいやね。
名物どて焼きは、蒟蒻でカサ増しせず牛すじのみ。甘過ぎない味噌味もえぇねん。厚揚げをもっぺん揚げるあげ揚げは、裏メニューから定番化した人気の一品。男の人ってほんま揚げさん好っきゃな~、いつも薄ら笑いしている私だけど、コレはハマってもた。クリスピーな外とヤワとろな中のコントラストがたまらん!醤油かポン酢をお好みで。年季の入った分厚い鉄板上で重しをギュッと押す鍬焼きスタイルのイカ塩焼きは、焦げが香ばしくプリップリ。ただ焼いただけやのに(と言っては失礼やけど)妙にウマいねん。ビールからのハイボールを一気に飲み干し、麦ロックを所望。お母さん、目を見開いて「飲むん早やっ!」。ナイスツッコミ頂きました。私も少しは認められたやろか?
たっぷり鰹節を踊らせ焼きそばの登場。美味しそ~と見とれていると、「早よ混ぜて!」、お母さんのみならず隣さんからも鋭い声がかかる。扇風機の風で鰹節が飛んでしまうからだそう。ナルホドおっしゃる通り!慌てて全体をよくかき混ぜズズッとすする。肉や野菜、プリップリの麺にしっかりソースが絡んだソレは、何だか子供の頃の土曜のお昼を思い出させた。〆のつもりが、まわりさんの盛り上がにつられ、らっきょうで麦ロックの杯が進んでまうけど。お母さんが笑ろてるうちにおいとましましょか~。

第45回「カミナリ酒店」@大阪石橋

「おかえり~」「ただいま~」チリンチリ~ンと戸が開くと飛び交う合い言葉。
仕事終わりの軽く一杯から、今宵のがっつり酔いの場、はたまた友人との待ち合わせにと毎夜お客さんが集う、オープン6年目の立ち飲み「カミナリ酒店」。常連率が高くフラり立ち寄る一見さんは少なそうなのだけど、元気なスタッフさんが笑顔で迎えて下さるので安心。かく言う私もデビューしてまだ半年足らず。ドキドキ初訪問の時の事は今でもよく覚えている。ツンと澄まし顔でひとり静かに飲んでいたはずが、気付けばカウンターに移り、ご常連とワイワイいつもの調子で飲んでいた。挙げ句の果て、2軒目まで共にしてしまった。何がそこまで盛り上げたんか知らんけど、心地よい空気に酔いしれたんは間違いない。以来、ちょくちょく寄せてもらっている、今期のマイベストヒット酒場なのだ。
入店すると、席を確保するよりまず両替えすることから始める、明朗会計のキャッシュオンスタイル。必須ではないけれど、当たりのコインが出れば何でも一品タダになる!とあらば、両替えしない手はあらへん。
若いサラリーマン君がネクタイをゆるめながら冷えたビールをググッと飲る姿が清々しく、こちらもまずはビールから。次いで300円のドリンク2杯と気まぐれ2品がつくほろ酔いセット。お出汁をたっぷりと含んだなすのとろける舌触りよ。定番以外にもお造りやほっこりおばんざいが揃うんも常連さんには嬉しい。この日は数杯でサクッと仕上げ、後日また訪れた。やはりビールからのスタート、ほろ苦さっぱりセロリの浅漬けとともに。お塩でシンプルに、ぷりっぷりたこの天ぷら。以前から目をつけていた鶏皮ギョーザは、パリムニュジュワッ!ウマッ!揚げもん続きで酒も進む。ほな男前ジョッキいっとこか。ずっしり重みが酒欲食欲に火をつける。名物とりのカラアゲもお初にお目にかかります。大口で食らいつくと湯気があがる。あふほふっ。外カリッ中しっとりジューシィ。しっかり下味のついた好きなタイプやわぁ。熱々を頬張りハイボールで流した。飲み続きの日々を少しばかり反省し、ホッピーにシフト。大好きな玉子ポテサラがなくなってしまったので、卵つながりでベーコンエッグを所望。目玉はふたつにしてもろた。熱々の鉄板で供されたそれは、黄身に箸を入れるととろり流れ出すレア感がお見事。今宵、キミに満たされましたわ。
まだまだ常連枠ではない私。帰り際の「またね~」が嬉しく、早く「おかえり~」に昇格できるよう精進します。

第44回「Bistro SAI」@大阪なんば

大阪の日本酒立ち飲みブームの先駆け的存在である「最(さい)」の二号店としてオープン、本店とは違ったイメージでとリニューアルされてから4年目の「Bistro SAI」。こだわりの日本酒と洋食を楽しめる。日本酒を『お米のじゅーす』と表現するセンスに惚れましてん。日本酒と呼ぶより一層美味しそうやんか。ゴクッ、喉を鳴らし入った店内は8人ほどが立てるカウンターのみ。「いらっしゃいませ」、黒ベストに白シャツ、黄色のネクタイをキュッとしめたお姉さんのお出迎え。天使の笑顔は、男性のみならず女性の心をも癒してくれる。手始めに前菜盛り合わせに日本酒がついたレディースセット。この日は和歌山の「紀土」。華やかで透明感のある味わいが体に染み入る。自家製のホタルイカの燻製は、齧るとプチュゥッとはじけ、口いっぱいに燻製香が広がる。女性だけお得なんてズルイわ~っ!なんて声が聞こえてきそうですが、御仁方にも朗報。前菜とビールのセットが同価格で頂ける男前セットもございます。時間限定ゆえ、お早うお越しやす。あれもこれも飲みたい浮気性な私にピッタリな飲み比べセットを所望。生酒・純米・山廃と、確実に違いを楽しめる。うん、すばらしい組み合わせ。1日5食限定の岩手がもローストは目の前で蓋を取られた瞬間、煙とともに燻製香がもわっとあがる。さすがビストロ!姿を現したその美しいお肉。絶妙な火の通り加減で外こんがり中しっとりやわらか。噛むほどに旨味と燻製香が鼻から抜ける。すかさず日本酒を流す。肉には赤ワインを、という考えを根底から覆す見事なマリアージュですわ。
溶岩釜で焼かれるハート型のキュートな自家製ピザも、そんじょそこらのピザ屋やイタリアンには負けへんで。北海道産の小麦粉2種類を使った生地のサクモチッと感!トマトソースのジューシィさにとろけるチーズ、バジルの爽やかさ。濃厚かつ酸味とキレのある「土耕ん醸(どこんじょう)」を合わせた私、ナイスチョイスやん。ピザは直径30cmのボリュームゆえ、おひとり様には多いわ~な方には、超ミニサイズのおつまみピザもある。カリリッとクリスピーで、これはこれとてえぇアテになりますよってに。どんな時でも日本人の胃袋を刺激するカレーまでちょこっとサイズで供される。野菜の甘みたっぷり、ほどよくスパイシー。カレーと日本酒、合うやんか。
暖かな照明のしっとり空間で、豊富な日本酒とイケメンシェフの作る本気洋食を手軽に味わえる。これぞ立ち飲みの醍醐味やね。

第43回「しんみどう」@大阪岸里

食の都・人情の街、大阪にふさわしい一軒が西成にある。安くて旨くて、雰囲気良し。そして、美人ママが居てはる。そんな店を知らんのは損や。
お好み焼き・鉄板料理と韓国料理の「しんみどう」。オモロイ組み合わせやな~。それもそのはず、ママさんは韓国ご出身。日本に来られて21年目、お店を始められて20年目ということで、韓国×大阪の力強い口調に一瞬、圧倒されるも怯んではならぬ。ひとたび腰を据えればママさんワールドにハマッてしまうから。
乾杯のビールとともにお手製のお惣菜とサービスの小鉢が供された。辛いもん好きにオススメの「はんごろし」は、信州の野沢菜激辛キムチ漬け。好き♥
お話好きのママさん、あっちやこっちのお客さんと会話が弾みながらも、手も休むことなく動く。手際良く焼かれる看板メニューのしんみどう。イメージするところのお好み焼きにしてはエライ質素やけど、どないなってんの?スライサーですりおろしたジャガイモを主体にした一品とな。こんがり表面サクッ中しっとり。時折感じられるジャガイモのシャキッと食感が良く、バターと醤油の香ばしさがタマランねん。初めてやのにどこか懐かしいねん。ビールが進むねん。ブー焼きは先と似たビジュアルながら、お次は大根。ブーて豚ちゃうのん?ちゃいますねん。韓国語で大根がブーですんねん!メニュー表記の「ヘルシー」の理由になるほど納得。フワトロモチッ。あっさりゆずポン酢に一味パッパでいただくと、噛むほどに大根の甘みが溢れる。見た目はお好み焼き、食べると大根餅。まさに韓国と大阪の融合やね!リズミカルに調理され「メッチャオイシイカラ!」と、さらに強い口調でオススメされる塩焼きそばは生麺にこだわり、鉄板でしっかり炒めても口中でプリップリッと踊る。シンプルな味付けが後を引き腹パンでもスルスルいってまわ。
焼き上がりまでのつまみや箸休めには、ちゅるちゅるチャプチェ、旨辛な自家製キムチ、チシャに韓国味噌と包んでいただく脂が甘ぁい蒸し豚などの本場韓国料理もお忘れなく。どれも『オイシイもん食べてほしい』というママの想いが感じられる一品ばかり。美味しそうな顔を向けると返してくれる満面の笑みもたまらない。終始元気でイキイキとしたママにこちらも元気をもらい、お腹も心も120%満足!
親子二代で通う客、15年来通う客、小さな子連れで通う客…長年愛され続ける理由は、安さ旨さはもちろん、ママのお人柄ゆえ。この味とママに会いにまた酔(寄)せて頂きます。

第42回「石橋スタンドゐの一」@大阪石橋

おっちゃんばっかの渋い酒場ラブな私も、シャレオツな立ち飲みで飲みたくなることもある。だって女の子やもん♥たまにはエェ雰囲気でイカしたお酒とアテを嗜み、女子力を強化せんとね。
阪大のお膝元、大阪石橋。学生を迎え入れる飲食店が軒を連ねる一角にオープンして2年目の「石橋スタンド」。海外のバルかと見紛うほど洒落た外観からの、吹き抜けの高い天井で開放感溢れる店内。デニムシャツのヤングなスタッフさんがにこやかに向かえ入れて下さる。ここはカフェか!?いや、紛れも無い酒場や。
私のクラフトビールブームに火をつけた大阪、日本が誇る箕面ビールでステキに乾杯。香り高く心地良い苦味を味わいつつツマむのは塩モツ煮込み。丁寧に下処理されたモツは、プリッと弾力を感じたと思ったら、すぐにとろっふぁっプル~んっと溶けてもた!旨みをたっぷり吸った底に潜むクタクタの葱も名傍役。燻製は店の2階で作られるオリジナル。強過ぎない適度な燻製香で素材の味も生きている。定番ネタに加え、子持ち蒟蒻なんてオモロイやんか。個性的なアテには個性的な酒をば。ビーフィータージンにラフロイグを合わせ、ライムと大葉でアクセントを加えた薫るジントニックとの相性ピタリ。兄ちゃん、ヤルがな~!豚肩ロースの箕面ビール煮込みは、その名の通り箕面ビールのピルスナーを使い3時間ほど煮込まれるそう。ほろほろっと口中でほどけるやわらかさでロースなのにあっさり頂ける。お出汁にくぐらせ頂くオムレツ風明石やきは、ふぁっとやわらか玉子の中にタコがかくれんぼ。紅生姜にネギを合わせたやさしい和の味わい。地元池田の地酒「呉春」を合わせて、くぅ~っ!到底、立ち飲みのアテとは思えぬこれら逸品を生み出すシェフは、フグの調理免許まで携える本気の料理人。一見コワモテながら(失礼っ)その笑顔はとても温かい。そんなシェフがドヤ顔を見せる〆の一品はカルボナーラーメン。同じく池田発祥のチキンラーメンを使ったオリジナルな一品。鉄鍋で供されたそれは、なるほど、ラーメン…いや、パスタ?全体をよく混ぜ口に運んだそのフワトロさ!チキラーの独特の濃い味・塩気の後にカルボナーラ仕立てのまったりまろやかさが絡みつく!黒胡椒のピリリが味を引き締め、次々に箸を進ませあっちゅー間に完食。めっちゃヴォーノやん!
”石橋降りたらゐの一番に駆けつけて!”の思いでつけられた店名。ヤングのみならず、おっちゃんも姉ちゃんもおひとりさんも、そら駆けつけてまうわ!